ベージニオについて
ベージニオは毎日飲むことで、がん細胞が増える過程
(細胞周期)を止め続けることをコンセプトに開発された、
乳がんの治療薬です。
ベージニオが使われる2つの治療場面
ベージニオはホルモン受容体陽性HER2*陰性で「手術後」「再発または転移が認められた」いずれかの患者さんを対象に使用されます。
*HER2は、細胞の表面に存在して、細胞の増殖に関係するタンパク質のことです。
HER2の有無によって、治療の方針が変わります。
手術の後に使う場合
- 乳房の中に発生した乳がんを原発性乳がんと呼びます。乳がん細胞は、リンパ管や血液に入って全身に流れていく可能性があります。乳房内とリンパ管にがんが留まっている場合は、手術治療を基本とし、その前後に薬物療法や放射線治療を行います。
- 原発性乳がんに対する治療のことを「初期治療」と呼びます。初期治療の目的は、からだからがん細胞を完全になくすことです。
- ベージニオは、目に見えるがんを手術で取りきった後、再発リスクの高い患者さんに対して、目に見えないがんを根絶することで、再発リスクを減らす目的で使用されます。
再発・転移の治療で使う場合
- 初期治療で目に見えなくなったがんが、後から見えるように大きくなることを「再発」と呼びます。また、乳房から離れた骨や肺などにできるがんは「転移」あるいは「遠隔転移」と呼ばれます。
- 「再発・転移の治療」は、がんの進行を抑えたり、症状を和らげたりすることでQOL(生活の質)を保ちながら自分らしい生活を長く続けることを目指します。
- ベージニオは、がん細胞の増殖を抑え、がんの進行を遅らせる目的で使用します。
ベージニオが使えるタイプの乳がん(ホルモン受容体陽性HER2陰性)
細胞は、通常、細胞周期を経て1つから2つに分裂しますが、がん細胞では、この細胞周期が異常に回転することで分裂を繰り返し、無秩序に増殖してしまいます。
ホルモン受容体陽性の乳がんは、女性ホルモン(エストロゲンなど)がアクセルとなって増殖します。

ホルモン療法では、エストロゲンを減らしたり、エストロゲンががん細胞に取り込まれるのを防いだりして、がんの成長を抑えます。

ベージニオのはたらき
- ベージニオは、ホルモン療法薬と一緒に使うことで、がん細胞の増殖をさらに防ぐことを目指して開発されたお薬です。
- ベージニオとホルモン療法薬を組み合わせることで、アクセルを緩める効果だけではなく、異常な細胞周期にブレーキをかけるような役割が果たされると考えられています。

Morgan DO. The Cell Cycle: Principles of Control, 2007
Gelbert, L. M. et al. Invest. New Drugs, 2014
Torres-Guzmán, R. et al. Oncotarget, 2017
服用方法と注意事項
ベージニオは毎日飲むことで、
がん細胞の細胞周期を止め続けることをコンセプトに開発されたお薬です。
服用方法
- 1日2回、毎日決まった時間に規則正しく服用しましょう。食事の前後どちらでも服用することができます。
- 副作用の程度によって、1回の量を減らしたり、一時的に休薬することがあります。
- コップ1杯程度の水またはぬるま湯で飲んでください。
服用期間
- 「手術後」の患者さんは、最長で2年間服用し、その後はホルモン療法薬のみを継続します。
- 「再発または転移が認められた」患者さんは、効果を確認しながらホルモン療法薬と一緒に服用を続けます。
注意事項
- 副作用などで飲むことが難しい場合は、主治医に相談しましょう。
- 決められた時間に服用し忘れたら、1回とばして、次の決められた時間に1回分服用してください。誤って2回分を1度に飲まないようにしましょう。
- ベージニオには、一緒にとることでベージニオの副作用が出やすくなったり、効果が弱まったりする食品やお薬があります。他の病院や薬局に行く際は、必ずベージニオを飲んでいることを医師や薬剤師に伝えてください。
- グレープフルーツやグレープフルーツジュースはベージニオの作用に影響を及ぼします。ベージニオ服用中は、これらの摂取を避けてください。
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