ベージニオについて
ベージニオは、毎日飲むことで乳がんの再発リスクを軽減したり、
再発・転移してしまった場合の進行を遅らせ、
癌を小さくすることが期待されています。
ベージニオが使われる
2つの治療場面
ベージニオはホルモン受容体陽性、HER2陰性で「手術後」「再発または転移が認められた」いずれかの 患者さんを対象に使用されます。
ベージニオの服用方法と
注意事項
ベージニオは1日2回、毎日服用するお薬です。
ホルモン療法薬と一緒に使います。
服用方法
- 毎日決まった時間に規則正しく服用しましょう。食事の前後どちらでも服用することができます。
- 副作用の程度によって、1回の量を減らしたり、一時的に休薬することがあります。
- コップ1杯程度の水またはぬるま湯で飲んでください。
服用期間
【手術後の患者さん】
ホルモン療法薬と一緒に最長2年間服用します。その後はホルモン療法薬のみを継続します。
【再発・転移を認めた患者さん】
効果を確認しながら、ホルモン療法薬と一緒に服用します。
●注意事項
副作用などで服用が難しい場合は、主治医に相談しましょう。
「間質性肺疾患」や「肺塞栓症(静脈血栓塞栓症の一種)」が疑われる症状 がみられたら、服用を中止し、速やかに治療を受けている医療機関に連絡してください。
もし決められた時間に服用し忘れたら、1回分とばして、
次の決められた時間に1回分服用してください。
誤って2回分を一度に飲まないようにしてください。
他の病院や薬局に行く際は、ベージニオを飲んでいることを必ず医師や薬剤師に伝えてください。
一緒に摂取すると、ベージニオの副作用が出やすくなったり、効果が弱まったりする食品やお薬があります。
グレープフルーツやグレープフルーツジュースの飲食は避けましょう。
ベージニオの働きかけの仕組み
ベージニオは、がん細胞が増える細胞周期を止め続けて進行を遅らせ、
癌を小さくすることが期待されています。
わたしたちの体を構成している細胞は「細胞周期」の過程を経て2つに増殖します。細胞周期のコントロールにはさまざまな物質が関わっており、それぞれが細胞の増殖を促進または抑制しています。例えばCDK4とCDK6は細胞の増殖を促進する物質です。
がんは細胞周期が過剰に進行し、異常な細胞が無秩序に増殖していく病気です。乳がん細胞の異常な増殖には、CDK4とCDK6の異常なはたらきが関与しています。
ベージニオは、乳がん細胞の異常な増殖に関わるCDK4とCK6を阻害する「CDK4および6阻害薬」です。CDK4とCDK6を阻害することで、細胞周期の進行を停止させ、がん細胞の異常な増殖を抑制します。
Gelbert, L. M. Invest. New Drugs, 2014
Torres-Guzman, R. Oncotarget, 2017
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